水素ガス吸入がマウス急性大動脈解離の増悪を抑制する
Inhalation of hydrogen gas reduces exacerbations of acute aortic dissection in mice.
要約
急性大動脈解離(AAD)は血管炎症が病態進行に関与する致死的疾患である。本研究では、β-アミノプロピオニトリル前処置とアンジオテンシンII持続投与によりAADを誘発したC57BL/6Jマウスに2%水素ガスを24時間吸入させ、その効果を検討した。水素吸入により24時間生存率と自発運動量が改善し、大動脈破裂頻度および偽腔拡大が抑制された。血漿中IL-6・G-CSFが有意に低下し、大動脈壁ではMMP-9・CXCL1発現およびLy-6B.2陽性細胞数が減少した。骨髄ではAADで減少したCD11b陽性Ly-6G陽性好中球の減少が水素吸入により有意に緩和された。血圧への影響は認められなかった。
メカニズム
水素ガス吸入がIL-6・G-CSF・MMP-9・CXCL1などの炎症メディエーターを低下させ、大動脈壁への好中球浸潤および酸化ストレスを抑制することで偽腔拡大と大動脈破裂を軽減する。
書誌情報
- 著者
- Iketani M, Kawata M, Ito M, Ohsawa I, Takayama K, Aokage T
- ジャーナル
- Life Sci
- 発行年
- 2026 (2026-05-07)
- PMID
- 42105975
- DOI
- 10.1016/j.lfs.2026.124443
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投与経路に関する解説
水素は空気中で **約 4%(LFL・爆発下限)から約 75%(UFL・爆発上限)** までが燃焼可能な濃度範囲とされています。高濃度水素吸入器のうち 66% 出力はこの範囲内にあり、100% 純水素出力でも装置と外気の境界面で必ず 4–75% の濃度勾配層が生じます(UFL 75% パラドックス)。設計原則上は LFL 未満(古典値 4% 以下)が想定されますが、これは閉鎖系・予混合・静止条件での値であり、開放系・動的条件である吸入環境では実証値として **10%** が文献で報告されており、実務上はこちらを上限の目安とします。66% / 100% 出力機については消費者庁事故情報データバンクに事故事例が記録されており、これらの観点から推奨されません。
安全性注意
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