心肺バイパス手術における分子水素吸入が赤血球機能状態および心機能指標に与える影響:無作為化臨床試験
Molecular hydrogen exposure improves functional state of red blood cells in the early postoperative period: a randomized clinical study.
要約
本研究では、後天性弁膜症に対する心肺バイパス(CPB)手術において、麻酔導入直後から術中にかけて1.5〜2.0%の分子水素を吸入した群(12例)と非吸入対照群(12例)を比較した。血液サンプルは麻酔導入直後、CPB開始前、CPB終了直後、術後24時間の4時点で採取された。水素吸入群では赤血球の電気泳動移動度の上昇、代謝活性の増加、凝集能の低下が認められ、酸化ストレスの軽減は術後1日目に最も顕著であった。また、術後1日目および3日目において心筋収縮機能指標に有意差が観察された。
メカニズム
分子水素が酸化ストレスを軽減することで赤血球の電気泳動移動度・代謝活性を向上させ、凝集を抑制するとともに心筋収縮機能の改善に寄与したと考えられる。
書誌情報
- 著者
- Deryugina AV, Danilova DA, Brichkin YD, Taranov EV, Nazarov EI, Pichugin VV ほか
- ジャーナル
- Med Gas Res
- 発行年
- 2023
- PMID
- 36204784
- DOI
- 10.4103/2045-9912.356473
- PMC
- PMC9555031
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投与経路に関する解説
水素は空気中で **約 4%(LFL・爆発下限)から約 75%(UFL・爆発上限)** までが燃焼可能な濃度範囲とされています。高濃度水素吸入器のうち 66% 出力はこの範囲内にあり、100% 純水素出力でも装置と外気の境界面で必ず 4–75% の濃度勾配層が生じます(UFL 75% パラドックス)。設計原則上は LFL 未満(古典値 4% 以下)が想定されますが、これは閉鎖系・予混合・静止条件での値であり、開放系・動的条件である吸入環境では実証値として **10%** が文献で報告されており、実務上はこちらを上限の目安とします。66% / 100% 出力機については消費者庁事故情報データバンクに事故事例が記録されており、これらの観点から推奨されません。
安全性注意
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