水素ガス吸入によるくも膜下出血後の早期脳損傷軽減を介した遅発性脳損傷の改善:ラットモデルを用いた検討
Hydrogen gas inhalation improves delayed brain injury by alleviating early brain injury after experimental subarachnoid hemorrhage.
要約
本研究では、ラットのくも膜下出血(SAH)+一側総頸動脈閉塞(UCCAO)モデルを用い、1.3%水素ガス吸入(30%酸素・窒素混合)が早期脳損傷(EBI)および遅発性脳損傷(DBI)に与える影響を検討した。水素ガスは0日目に2時間、1日目に30分間吸入された。EBIの指標として脳浮腫・S100B発現・JNKリン酸化を、DBIの指標として神経学的欠損および神経細胞死を評価した。水素群ではEBI・反応性アストログリオーシス・DBIの有意な改善が認められた一方、脳血管攣縮には有意差がなかった。水素ガス吸入は脳血管攣縮を改善せずにEBIを軽減することでDBIを抑制することが示された。
メカニズム
水素ガスが活性酸素種を消去することでJNKリン酸化・S100B発現・脳浮腫などの早期脳損傷指標を抑制し、その結果として遅発性脳損傷および反応性アストログリオーシスが軽減されると考えられる。
書誌情報
- 著者
- Kumagai K, Toyooka T, Takeuchi S, Otani N, Wada K, Tomiyama A ほか
- ジャーナル
- Sci Rep
- 発行年
- 2020 (2020-07-23)
- PMID
- 32704088
- DOI
- 10.1038/s41598-020-69028-5
- PMC
- PMC7378202
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投与経路に関する解説
水素は空気中で **約 4%(LFL・爆発下限)から約 75%(UFL・爆発上限)** までが燃焼可能な濃度範囲とされています。高濃度水素吸入器のうち 66% 出力はこの範囲内にあり、100% 純水素出力でも装置と外気の境界面で必ず 4–75% の濃度勾配層が生じます(UFL 75% パラドックス)。設計原則上は LFL 未満(古典値 4% 以下)が想定されますが、これは閉鎖系・予混合・静止条件での値であり、開放系・動的条件である吸入環境では実証値として **10%** が文献で報告されており、実務上はこちらを上限の目安とします。66% / 100% 出力機については消費者庁事故情報データバンクに事故事例が記録されており、これらの観点から推奨されません。
安全性注意
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