高濃度水素ガス吸入によるLPS誘発急性肺傷害の軽減とNrf2シグナル経路の関与
High concentration of hydrogen gas alleviates Lipopolysaccharide-induced lung injury via activating Nrf2 signaling pathway in mice.
要約
敗血症において肺は最初に障害を受ける臓器である。本研究では、67%高濃度水素(HCH)吸入がLPS誘発急性肺傷害(ALI)マウスモデルに与える影響を検討した。LPSエアロゾル吸入によりALIを誘発し、モデル作製1時間後および6時間後にHCHを1時間吸入させた。野生型およびNrf2ノックアウトマウスで肺組織の病理スコア、湿乾重量比、MPO活性、BALF中のサイトカイン・タンパク質濃度、アポトーシス関連指標、Nrf2およびNF-κB発現を評価した。HCH吸入は肺の病理学的変化を有意に軽減し、炎症性サイトカインやカスパーゼ-3活性を低下させた。Nrf2ノックアウトマウスでは保護効果が消失し、Nrf2経路の関与が示唆された。
メカニズム
HCH吸入がNrf2シグナル経路を活性化し、NF-κBを介した炎症性サイトカイン産生およびカスパーゼ-3依存性アポトーシスを抑制することで肺傷害を軽減する。
書誌情報
- 著者
- Sun R, Zhao N, Su Y, Zhang JH, Wang Y, Yu Y ほか
- ジャーナル
- Int Immunopharmacol
- 発行年
- 2021
- PMID
- 34634688
- DOI
- 10.1016/j.intimp.2021.108198
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投与経路に関する解説
水素は空気中で **約 4%(LFL・爆発下限)から約 75%(UFL・爆発上限)** までが燃焼可能な濃度範囲とされています。高濃度水素吸入器のうち 66% 出力はこの範囲内にあり、100% 純水素出力でも装置と外気の境界面で必ず 4–75% の濃度勾配層が生じます(UFL 75% パラドックス)。設計原則上は LFL 未満(古典値 4% 以下)が想定されますが、これは閉鎖系・予混合・静止条件での値であり、開放系・動的条件である吸入環境では実証値として **10%** が文献で報告されており、実務上はこちらを上限の目安とします。66% / 100% 出力機については消費者庁事故情報データバンクに事故事例が記録されており、これらの観点から推奨されません。
安全性注意
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