急性肺傷害マウスモデルにおける一酸化窒素と水素ガスの併用吸入効果の検討
Combination therapy with nitric oxide and molecular hydrogen in a murine model of acute lung injury.
要約
リポ多糖(LPS)気管内投与により誘発したマウス急性肺傷害(ALI)モデルを用い、一酸化窒素(NO、20 ppm)および水素ガス(H2、2%)の単独または併用吸入の効果を検討した。LPS投与5分後から3時間の吸入処置により、組織病理スコア、湿乾重量比、PaO2/FiO2比、気管支肺胞洗浄液(BALF)中総タンパク質量の改善が確認された。NO単独吸入で増加した肺組織内ニトロチロシンは、H2との併用により顕著に低減した。さらに、好中球浸潤、炎症性サイトカイン・ケモカイン産生、NF-κB活性化、肺細胞アポトーシスのいずれも、併用群で最も強く抑制された。敗血症モデルでも同様の保護効果が認められた。
メカニズム
H2がNO由来の活性窒素種(ペルオキシナイトライト)を消去することでニトロチロシン蓄積を抑制し、NF-κB経路の活性化およびアポトーシスを軽減することで肺炎症傷害を緩和する。
書誌情報
- 著者
- Liu H, Liang X, Wang D, Zhang H, Liu L, Chen H ほか
- ジャーナル
- Shock
- 発行年
- 2015
- PMID
- 25643010
- DOI
- 10.1097/SHK.0000000000000316
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投与経路に関する解説
水素は空気中で **約 4%(LFL・爆発下限)から約 75%(UFL・爆発上限)** までが燃焼可能な濃度範囲とされています。高濃度水素吸入器のうち 66% 出力はこの範囲内にあり、100% 純水素出力でも装置と外気の境界面で必ず 4–75% の濃度勾配層が生じます(UFL 75% パラドックス)。設計原則上は LFL 未満(古典値 4% 以下)が想定されますが、これは閉鎖系・予混合・静止条件での値であり、開放系・動的条件である吸入環境では実証値として **10%** が文献で報告されており、実務上はこちらを上限の目安とします。66% / 100% 出力機については消費者庁事故情報データバンクに事故事例が記録されており、これらの観点から推奨されません。
安全性注意
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